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2025/12/03 01:00 ~ なし
松が劇的に美しくなる!剪定の要「芽摘み」と「葉むしり」のキホン
「松の手入れは難しい」—そう思われている方が多いかもしれませんね。ですが、日本の庭の顔とも言える**松(マツ)**は、適切な手入れさえすれば、必ずその期待に応えてくれる、実に律儀な木なんです。
特に、力強い黒松(クロマツ)と、優美な赤松(アカマツ)。この二大松を本当に美しく保つには、**時期を逃さない「芽摘み」**と、**木を健康にする「葉むしり」**が欠かせません。
ここでは、代々受け継がれてきた職人の知恵として、この二つの手入れの「なぜやるのか」「いつやるのか」を、わかりやすくお話ししましょう。
1. 🔍 松は正直な木だ!【赤松と黒松の「性(さが)」を知る】
松を剪定する上で大事なのは、まず松が持っている**「性(さが)」**、つまり個性を知ることです。
例えば、黒松は「雄松」と呼ばれる通り、葉が太く硬く、成長の勢いがまるで若い力士のように強い。だからこそ、春の芽摘みでは、その勢いをしっかり見極めて抑え込んでやる必要があります。
一方、赤松は「雌松」と呼ばれ、葉が細く柔らかく、どこか繊細な風情があります。勢いが穏やかな分、剪定しすぎると弱ってしまう。優しく、丁寧に、木の呼吸を乱さないように整えるのが肝心です。
私たち庭師が剪定で常に意識するのは、**「木の隅々まで風を通し、光を当てる」**こと。これが松の健康の基本であり、病害虫から松を守る第一歩なんですよ。
2. ✂️ 松の姿を一年で決める!春の命綱「芽摘み」の極意
私たちが一番神経を使う作業、それが**芽摘み(めつみ)**です。松の美しさは、この春の作業で決まると言っても過言ではありません。
🌿 芽摘みを行う時期
最適な時期は、新芽がロウソクのように伸びてくる4月下旬から5月にかけて。この「ミドリ」と呼ばれる新芽が固くなる前に、手でそっと摘み取ってやるのが鉄則です。時期を逃すと、松の形が乱れてしまう。これが職人にとっての腕の見せ所です。
📝 芽摘みの目的と方法
芽摘みは、ただ芽を短くする作業ではありません。「強い芽にはブレーキをかけ、弱い芽には栄養を回す」、このバランス調整が目的なんです。
強弱を見極める: 勢いの良い強い芽は、思い切って半分~3分の1程度まで摘み、弱い芽は先端を軽く摘むか、そのままにしておきます。
葉の量を調整する: 芽の数を減らすことで、将来葉が密集するのを防ぎ、松らしい**「抜けた」美しいシルエット**を作り出します。
<親方の教え> 強い部分を抑えて、弱い部分を活かす。これこそが松の健康を保ち、毎年美しい樹形を維持するための秘訣です。
3. 🍂 健康な木に仕上げる!秋・冬の裏方仕事「葉むしり」
松の健康と美観を完成させるのが、葉むしり(葉すかし・もみあげ)です。主に9月〜12月の寒い時期に行います。
💡 葉むしりの目的
この作業は地味に見えますが、松にとっては非常に重要な「裏方仕事」です。
病気知らずの体に: 密集した古葉を取り除き、枝の内部まで風を通します。これで湿気がこもるのを防ぎ、松枯れ病などの予防になります。
光を浴びさせる: 古葉を落とすことで、新しい葉の根元までしっかりと日光が届き、木全体が健全に育つようになります。
品格ある姿へ: 葉の量が調整され、松の**枝ぶり(えだぶり)**が際立ちます。これが、日本庭園が重んじる「品」を作り出すんです。
✅ 葉むしりの具体的な作業箇所
枝の内側や、太陽の光を邪魔している古い葉を重点的に手でむしり取っていきます。目安としては、枝の先端に8対~15対の葉を残す程度。ただ減らすのではなく、**「どこを残すか」**が私たちの腕の見せ所です。
4. 大切な松は、庭師の目で守らせてください
赤松・黒松の剪定は、その木の歴史と未来を見据えた、職人技が必要な作業です。もし、「今年は芽摘みの時期を逃してしまった」「松の色が悪くなってきた」とお悩みでしたら、ぜひ私たちプロにご相談ください。
お客様の大切な松の**「個性」と「健康」**を第一に考え、何十年先も美しくいられるよう、責任を持って手入れさせていただきます。